今までスマートウォッチとして FOSSIL Sport を使っていたのですが、バンドがボロボロになってきたので、前から気になっていた Mobvoi の TicWatch Pro 3 を購入しました。
世界初の Snapdragon Wear 4100 搭載の Wear OS スマートウォッチです。
今まで4~5年ほど、3つのスマートウォッチを使ってきた管理人が1週間ほど使ってみたので、スマートウォッチを使ったことがなくて購入を考えている方向けに使用感を共有します。
TicWatch Pro 3 そのものの説明は基本ありませんのでご承知おきください。
結論
ひとまず良い点・悪い点をまとめると、こんな感じです。
- 表示エリア詐欺がなく、画面サイズが大きい。普通の時計に見えるレベル。
- 電池持ちがバツグンに良い。リアル24時間装着で40%の電池消費量。
- シンプルでカッコいいデザイン。
- 画面サイズの割には小さく軽い。
- さすが Snapdragon Wear 4100。Wear OS としてはかなり軽快な動作。
- Google Fit と連携できない。なんかちょっと怪しい。
- バイブが少し弱く、気づきづらい。
- 女性向けデザインがない。男性向けとしては良いデザインなのに惜しい。
- TicWatch としてはちょっと高いかなぁ・・・
それぞれ詳細を以下にまとめます。
Unboxing
と言ったものの、最初はメモも兼ねてちょっと開封風景を。
今回は5月のお買い物マラソンですこし安くなっていた、TicWatch & Mobvoi 楽天市場店で購入しました(28,799 円)。
梱包は非常にキレイな状態で送られてきます。
同梱品はシンプルで、本体の他には充電&データ通信用の USB ケーブル各種説明書のみです。
背面はこんな感じ。
起動して Xperia1 II とペアリングしてみます。
信頼を保持するための説明が格安中華製品と同等レベルの日本語でなされることに若干不安を覚えますが、気にせず先に進みます。
というわけで、起動&スマホとのペアリングは特に問題なくできました。
標準のウォッチフェイスもカッコいいですね。
良い点
表示エリア詐欺がない
「表示エリア詐欺」は自分が勝手に作ったコトバです。
イチイチ説明するよりも、見てもらった方が早いでしょう。
は FOSSIL Sport のものですが、どうでしょう?表示エリアがやけに小さくないですか?
そう、端的に言えば、やけにベゼル(フチ)が太いのです。
こんな感じで実物を見るとわかりやすいのですが、メーカーや Amazon の商品紹介ページでは、それが巧妙に隠されていることが多い(実はベゼルが太いことを隠している)んです。
上記 FOSSIL Sport の例で言えば、シルバーの枠内いっぱいにウォッチフェイスが表示されることを期待するのですが、そうはならないということです。
スマートウォッチは自分の好きな時計版(ウォッチフェイス)を設定できるところが1つの大きな魅力ですが、カッコいいウォッチフェイスをベゼルが太い時計にセットすると逆にダサくなるので要注意です。
スマホも同じですよね。ナローベゼル(フチが細い)がイマドキです。
では TicWatch Pro 3 はどうかというと、基本見たままの表示エリアとなります。
同じ X-Gen ウォッチフェイスで見てみましょう。
こちらも内部に黒いフチはあるのですが、相対的に黒フチエリアが狭いせいか、なぜかあまり気になりません。
なんというか、普通の時計として全然違和感ないです。
並べると一目瞭然。
言ってみれば単にデザインの話ということになりますが、時計はずっと身に着けるものですし、満足感に大きく影響する点かなぁと、個人的には考えています。
電池持ちがバツグンに良い
ぶっちゃけかなり持ちます。
Snapdragon Wear 4100 で省電力化したことに加え、577mAh の大容量バッテリ搭載、TN 液晶による省電力化が全て効いているようです。
このうち、TN 液晶と OLED(有機 EL ディスプレイ)のデュアルスクリーンについて少し説明しておきます。
当然ですが、モバイルデバイスは画面を表示していればいるだけ電池を消費するため、「いかに長時間画面を消していられるか」が電池持ち時間に直結します。
そこで Wear OS では以下のモードを用意しています。
- 普段は真っ暗(画面表示なし)で、時計を見た時(ジェスチャーで腕を動かしたとき)、もしくは画面をタッチしたりボタンを押したときだけ画面を表示
- 画面は常時点灯(Always-on)で、普段は簡素化表示(アンビエントモード)しておき、ジェスチャー or タッチ or ボタン押下時は画面を表示(ジェスチャーとタッチは無反応にすることも可)
- 常にフル表示
1が最も電池が持ちますが、正直不便です。
例えば左手で電車のつり革を持っているようなとき、キーボードで文字を入力しているようなとき、時計をチラっと見て時間を知る、といったことができないわけです。
そこで用意されているのが常時点灯(Always-on)とアンビエントモードです。
常時点灯は言葉通りで、時計のディスプレイを消さずに常に表示し続けるモードなのですが、そのままだと非常に電力を消費するため、アンビエントモードというものが用意されています。
これについては実際に見てもらった方がわかりやすいでしょう。
OLED は、黒の表示領域はあまり電力を消費しません。
そのため、必要最低限の表示だけを残し残りを真っ暗にすることで、時計としての利便性をできるだけ損なわずに、電池消費を抑えられるようにしています。
あの Apple Watch でさえ途中から常時点灯モードを用意したくらいなので、やはりみんな画面が消えるのは不便だと思っている、ということでしょう。
その意味では、Wear OS を使っている方の多くは、2の設定で使っているんじゃないかと思います(勝手な想像)。
TicWatch Pro 3 ではどうかというと、だいたい以下のパターンを設定できます。
- 普段は液晶で時間を常時表示しておき・・・
- ジェスチャー時にバックライトを点灯して液晶を見やすくする。
タッチやボタン押下では OLED を表示。 - ジェスチャー or タッチ or ボタン押下で OLED を表示。
- ジェスチャー時にバックライトを点灯して液晶を見やすくする。
- 普段は簡素化表示(アンビエントモード)しておき、ジェスチャー or タッチ or ボタン押下時は画面を表示(ジェスチャーとタッチは無反応にすることも可)
- 常にフル表示
2と3については先ほどと同じですが、1が少し違います。
通常時画面を消す代わりに、以下のような液晶画面が表示されるようになります。
この液晶は普通のデジタル腕時計と同じで、常時表示していても消費電力が非常に少なくて済みます。
そのため、画面を非表示にする必要はなく、常に液晶画面を表示していてもバッテリーライフにほとんど影響を与えない、というわけです。
視認性も良く、日時・歩数・秒数、大まかな電池容量(3段階)まで表示されているので、チラ見用途には十分足ります。
視認性も良く、ジェスチャー時にバックライトを点灯させるように設定可能なのも気が利いています。
また、メールや LINE の通知の際は OLED が表示されるので使い勝手の面でも問題ありません。
実際の消費電力はこんな感じです。
5/13 の 22 時前に電池 100% の状態で装着し、睡眠中も含めほぼ24時間ずっと腕につけっぱなしで、翌 5/14 の 21:33 に電池残量を確認したところ、61% でした。
測定環境・状況は以下の通りです。
- ジェスチャーで画面 ON
- タッチで画面 ON
- 心拍数の常時モニタリング:有効(Google Fit, TicHealth ともに)
- SpO2(血中酸素飽和度)の常時モニタリング:有効
- GPS:有効
- 歩数計:有効
- Bluetooth:有効
- Wi-Fi:無効
- NFC:有効
- 5/14 の歩数:約 7,600歩
今までのスマートウォッチと比較すると、圧倒的な電池持ちを実現しており、「最大72時間」といの謳い文句もあながちウソではなさそうです。
デザインが良い
これに関しては、Google で画像検索してもらって出てくる画像そのものと思ってもらって良いです。
ネット上の画像と実物を比較してもあまりギャップがありません。
そのため、ネットで確認してデザインが気に入るようであれば、後悔することは少ないでしょう。
画面サイズが大きい割に小さく、軽い
こちらは実物を見て感じたことです。
タイトルの通りなのですが、画面サイズは大きいのに大きくないな、というのがファーストインプレッションです。
上でも触れましたが、おそらくベゼル(フチ)が狭いからでしょうね。
手持ちのウォッチと比較してみると、言わんとすることは理解していただけるのではないかと思います。
また、見た目より軽く感じます。
こちらはあくまで個人の印象なので、参考までに。
Snapdragon Wear 4100 で動作が軽快
これはあまり説明も必要なくて、そのままの意味です。
今まで Snapdragon Wear 2100, 3100, 4100 と Wear OS スマートウォッチをさわってきましたが、間違いなく最高にサクサクです。
今 Wear OS スマートウォッチを購入するのであれば、少なくとも操作感に関しては TicWatch Pro 3 を選んでおけば間違いないでしょう。
ただ正直、絶対値としてはまだもうちょっと改善の余地はあるかなー・・・と。
スマホで言えば2013~2014年ころのハイエンドモデル、といった感じです(え?わかりづらい?)。
悪い点
続いて悪い点。
Google Fit と連携できない
TicWatch Pro 3 は健康管理系の機能が充実していて、
- 心拍(脈拍)数
- SpO2(血中酸素飽和度)
- ストレスレベル
- 睡眠レベル測定
あたりをモニタリングできます。
このうち Google Fit がサポートしているのは心拍数と睡眠レベル測定なのですが、取り込めません。(心拍数は Wear OS の Google Fit アプリで常時計測できるので取り込めなくてもあまり問題ない)
Google Fit とのデータ連携はスマホ側の Mobvoi アプリ から設定できるようになっているのですが、「このアプリはブロックされます」と出てエラーになります。
movboi のフォーラムでも取り上げられています。
要するに Google に「このアプリはセキュリティ的に NG」と言われているわけですが、冒頭のアヤシイ日本語、現在の中国とアメリカの関係・・・とか考え始めると、ちょっと不安がよぎります。
まぁ、気にしなければイイだけっちゃだけなんですけどね。
ただ、睡眠データを Google Fit と連携させて管理したいと考えている方は要注意です。
バイブが弱い
これは文字通りなんですが、バイブが弱いです。
安静にしている状態では問題ないですが、歩いたり走っているようなとき、場合によっては通知に気づかないこともあるかもしれません。
ちなみにスピーカーは結構な音量が出せます。
音を鳴らしてよい環境であれば、気づかないということは無さそうです。
その他
デザインは1つのみ
TicWatch Pro 3 のカラーはブラック一択で、サイズもしかなく、男性向けしかありません。
せっかくデザインはいいのに女性向けモデルがないのは少し惜しいなと思います。
ちょっと高い
自分の TicWatch のイメージは、「安いのに結構良い」でした。
つまりコスパが良いということになるわけですが、そのイメージからすると 35,999 円(5/14 現在)という価格はちょっとお高いかな・・・と。
Google Pay は使えない
これは TicWatch Pro 3 のせいではなく Google がやる気がないだけなのですが、いまだに日本では Google Pay は使えません。
Apple Watch に慣れている方はご注意ください。
まとめ
というわけで今回は Mobvoi の TicWatch Pro 3 のレビューでした。
総論としては、「予算さえ都合つけば買い」です。
デザイン・圧倒的な電池持ち・操作の軽快さ、どれをとっても現状の Wear OS スマートウォッチの中で最高なんではないでしょうか。
楽天や Amazon のタイムセールなどで安くなっているときに狙ってみるのもいいかもしれません。
ちなみにバンドは 22mm ですが、Amazon で売っている WOCCI のバンドがオススメです(価格の割に質感が良く、コスパ抜群)。
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