4Kモニタが欲しくなりました
先日モニターアーム環境を用意したので、今度はモニターです。
今回モニターを導入するにあたって、最近のトレンドなどを含めていろいろ調べてみました。
せっかく調べたので、モニターを購入しようと思っているけど、何をどう選べばいいのかわからないという方向けに、「だいたいこれを選んでおけばバズレにくい」というポイントを極力簡潔に説明します。
説明の簡潔さ重視のため、厳密には間違っている部分もあるのと、あくまで独断と偏見ですので、そのあたりはあらかじめご了承ください。
大前提
そもそも、すべての人に対して全ての要求を満たすモニターというのはありません。
あったとしても、超高額になってしまいます。まずはこれを認識するところが重要です。
その上で、自分が「そのモニターを主にどういう用途で使いたいのか?」を自問しましょう(例えば、動画鑑賞をメインの用途として想定しているのに、サイズの小さいモニターは合わないですよね)。
どのような用途で使いたいか?は十人十色だとは思いますが、おおまかには以下のユースケースに分けられると思います。
- 仕事・オフィスワーク(エクセルやパワポ、プログラミングなど)
- 動画鑑賞(テレビ的に使う)
- 写真・動画編集(クリエイター向け)
- ゲーム(PC ゲームや PS5、SWITCH をプレーする)
自分はどの用途にあてはまりそうか?というところを考えながら、以下を読んでいただければと思います。
モニターの性能・機能一覧
モニターには様々な性能・機能がありますが、把握しておく必要があるのはこれくらいでしょう。
- モニターサイズ・解像度
- 入力端子の種類・数
- パネルの種類
- コントラスト比・輝度
- リフレッシュレート・応答速度
- 色域・色空間
- スタンド調整機能
- フリッカーフリー(FreeSync/G-SYNC)対応
- デザイン(フレームレス・ベゼルレス)
- スピーカー搭載
- USBハブ機能
- PIP・PBP対応
- HDR対応
これだけでももうおなか一杯な感じですが、これを先ほどのユースケースに当てはめると、重要視すべきものがいくつか絞られてきます。
それぞれの項目について、以下でどう選べばよいか簡単なポイントをまとめます。
モニターサイズ・解像度
何それ?
モニターサイズは「何インチ」で語られるアレですね。テレビでも同じなので、直感的にわかるかと思います。
解像度は、どれほど高精細に表示できるかの指標で、数字が大きいほど良いです。
解像度一覧は Wikipedia をご参照いただくとして、現在市販されているモニタで主流の解像度は以下の3つです。
- 4K、UHD、3860x2160
- WQHD、2560,1440
- FHD、1920x1080
数値が大きいほど良い、つまり高精細になります。
どう選べばよいの?
まず解像度ですが、高精細に表示できた方が良いのは間違いないので、基本的には4Kが良いということになりますが、3つの注意事項があります。
1つ目は、高精細に表示できる分、表示サイズが小さくなるという問題です。
使用用途、その人の年齢(老眼が進むと小さいものは見えづらい・・・)、普段の姿勢などに応じて、モニターサイズと解像度のバランスを考えながら決める必要があります。
あくまで目安ではありますが、4Kの場合は31.5インチクラスのサイズにしておく方が無難です(20代以下の方は27インチクラスもあり)。
2つ目は、ゲーム用途メインの場合は4Kは避けた方が良い可能性が高い、ということです。
なぜなら、高精細に表示できる分、PCのパワーを必要とするためです。
高性能なゲーミングPCをお持ちであればいいのですが、非力なPCの場合表示が遅くなりカクカクする可能性があります。ゲーム用途をメインで考えている場合は4Kは避けた方がいいかもしれません。
3つ目は、古いPCの場合は4Kの解像度に対応していないケースがあることです。
これもまたあくまで目安ではありますが、だいたい2015年以降くらいのPCであれば問題ないのではないかと思います。
1つ目の注意事項を踏まえた上で、モニターサイズは好みのサイズを選ぶ、で構いません。
ゲーマー以外は基本的には4Kを選ぶ。ただしモニターサイズとのバランスを考えて。
入力端子の種類・数
何それ?
画像データをモニターに表示させるために接続するコネクタ(入力端子)にはいくつか種類があり、モニターによってどのようなコネクタを搭載しているかが異なります。
表示させたい機器と、モニターの入力端子を合わせる必要があります。
例えば古いゲーム機(例えば PlayStation2 など)の場合、最新のモニターとは入力端子が異なるため、そのままでは画面表示させることができません(がんばればできるけど)。
どう選べばいいの?
HDMI と DisplayPort を搭載していれば、多くの用途はカバーできるでしょう。
できれば HDMI は2つ以上あると安心です。
お手持ちのノート PC に USB Type-C コネクタがあって、そのノート PC を大画面モニタにつないで使うというは、USB Type-C入力を持つモニタを候補に入れても良いと思います。
この場合選択肢は狭まりますが、USB Type-C ケーブル1本をつなぐだけで、画面表示・ノート PC の充電などができるので便利です。
例えば以下のようなモニターがあります。
また、HDMI ポートはバージョン 2.0(以上)であることを確認しましょう。
細かいことは省きますが、その方がよりスムーズに表示されるからです。
動画鑑賞・ゲームで使用される方は、「入力端子ごとに」HDCP 2.2 に対応しているか、を確認しておきましょう。
HDCP は著作権保護の仕組みですが、これに対応していないと画面が映らない可能性があります。
HDMI をできれば2つ以上、DisplayPort を1つ以上搭載しており、それぞれ HDCP 2.2 をサポートしているものを選ぶ。
パネルの種類
何それ?
モニターの画面を構成している液晶パネルの作り方・動作原理の違いです。
基本的には TN か VA か IPS の3つあります。
かんたんにまとめると、以下のような特性があります。
表示の速さ | VA≒IPS<TN(TN が最も高速に表示を切り替えられる) |
価格 | TN<VA<IPS(IPS が最も高い) |
コントラスト | TN≒IPS<VA(VA の方が、暗い画像でもハッキリ見える) |
視野角 | TN<VA<IPS(IPS の方が、モニターをどこから見てもキレイに見える) |
どう選べばいいの?
上記のような特性があるため、一般的には TN はゲーマー向け、VA は映像視聴向け、IPS はクリエイター向けと言われます。
個人的な経験で言えば、最近のモニタであればどれもキレイで、仕事・オフィスワーク系、動画鑑賞用途ならどれでもいいです。ぶっちゃけ価格で選んでもいいと思います。
TN や VA は視野角が狭くて仕事向けモニタとしては二流とか平気で言ってる人がいますが、そういう意見を聞くと、おまえら本当にそんな他人数でPC使うの?いっつもペアプロでもしてんの?っていつも思います(20年くらい前のモニタであれば別ですが)。
ただし、特に用途が決まっていないようなケースで、且つ予算が許すのであれば、IPS にしておいた方がハズレを引く可能性は低いと思います。
強いこだわりがなく、価格が許せば IPS にしておくのが無難だが、最近のものであればどれを選んでもいい(ただしゲーマーは TN を、クリエイターは IPS を選んでおく方が無難)。
コントラスト比・輝度
何それ?
コントラスト比は、画面をクッキリ・ハッキリ表示させるための指標です。
コントラスト比は、「1,000:1」といった表記がなされます。この左側の数字(上記の場合「1,000」)が大きければ大きいほど、より「クッキリ」表示することができます。
輝度はそのままで、どれくらい明るく表示できるかの指標ですね。
「250cd/㎡」とか「500nit」といった単位で表示されます。大きければ大きいほど良いです。
どう選べばいいの?
コントラスト比はメーカーによって表記方法がマチマチなので、単純に数値の大小だけでは比較できません。
正直なところ、最近のモニターはどれもよくできているので、よほど気にする方でない限りは、放置で良いと思います。
気になる方は、VA パネルのモニターを選びましょう。VA パネルは、原理的にコントラスト比を高くすることができるためです(ちなみに、液晶テレビでは VA パネルがよく使われていたりします)。
輝度についても明るいに越したことはありませんが、直射日光がモニターに当たるような環境でもなければ、300cd/㎡ もあれば十分です。
コントラスト比・輝度ともにスペック値は基本気にしなくてもいいけど、気になるなら VA パネルのものを選ぶ。
リフレッシュレート・応答速度
何それ?
リフレッシュレートは、画面を一秒間に何回書き換えることができるか、という性能を表します。
「60Hz」という形で表記されます。数値が大きいほど性能が良いです。
応答速度は、液晶パネルをある色からある色に変更させるときにかかる時間です。
「5ms」という形で表記されます。数値が小さいほど性能が良いです。
どう選べばいいの?
リフレッシュレートは、ゲーム用途でなければ 60Hz に対応していれば OK です。
とはいえほとんどのモニターは 60Hz をサポートしているので、結果的にはほとんど気にしなくてもかまいません。
ゲーム用途であれば 144Hz や 165Hz のものがよさそうですが、試したことないので評価は避けます。
応答速度も速ければ速いに越したことは無いのですが、メーカーによって表示根拠が異なっていたりするので、単純に数値の大小だけで比較するのはやめておいた方が良いです。
1つの目安としては、だいたい5ms 前後以下というのを覚えておくとよいでしょう。
リフレッシュレートはそれほど気にしなくても OK、応答速度は 5ms あたりを一つの目安に。
色域・色空間
色域・色空間とは、そのモニターがどれくらいの範囲の色を表現できるか、という性能を表す指標です(厳密には性能ではないのですが、ここではわかりやすさ重視で)。
どの色域に対して、そのモニターがどの程度の色を表現できるか、という形で表現されます(例:sRGB 99%)。
値は大きい方が良いです。
詳しくは以下のわかりやすい解説をどうぞ。
どう選べばよいの?
画像編集などを行うクリエイターのような方を除けば、基本気にしなくていいです。
最近販売しているモニターで、よほどの安物や不良品でもつかまされない限り、ほとんど気にならないであろうというのが率直な感想です。
基本気にしなくていい。ただしクリエイターの方はこだわろう。
スタンド調整機能
何それ?
スタンド調整機能は、モニターの向き・位置・高さなどを調整する機能です。
チルト・スイベル・ピボット機能などとも呼ばれます。詳しくは以下をご覧ください。
どう選べばいいの?
これはモニターによって個性のある所なので、各モニターの説明書を読んでもらうしかありません。特にピボット(モニターを90度回転して縦に使う)は、人によっては必須機能なので要確認です。
個人的には、チルトと高さ調整機能はあった方が良いと思います(スイベルは無くても何とかなる)。
ちなみに、モニターアームがあればこのあたりで悩むことはほぼなくなるのでオススメです。
説明書を見てきちんと内容を確認しておく。わからなければチルトと高さ調整機能くらいはあるものを選ぶと後悔しづらい。
フリッカーフリー(FreeSync/G-SYNC)対応
何それ?
主にゲーム時に「テアリング」と呼ばれるチラツキを発生させないための機能です。
詳細は以下をどうぞ。
どう選べばいいの?
カンタンに言えば、「ゲーム用途で考えているのであれば FreeSync もしくは G-SYNC に対応しているモニターを選ぶ」ということになります。
ただし G-SYNC にネイティブで対応しているモニターは少ないし高いです。
そのため実質的には FreeSync もしくは G-SYNC compatible 対応しているものを選ぶことになると思います。
ゲーム用途で考えているなら、FreeSync または G-SYNC compatible となっているものを選ぶ。そうでなければ基本的に気にしなくていい。
デザイン(フレームレス・ベゼルレス)
何それ?
フレームレス・ベゼルレスとは、モニターのフチ・枠の厚さを極限まで薄くしたデザインのことです。
どう選べばいいの?
「デザインの話でしょ?自分が好きなの選べばいいじゃん」と言われそうですが、フレームレスなモニターを一度見てみてください。
例えば DELL の U3219Q。
これメッチャカッコよくないですか?
デザインの話なので確かに機能には全く関係ありません。
しかし実際のところ、使い勝手や満足感に結構大きな差が出ます。
モニターはずっと見つめ続けるものなので、デザインがカッコイイというのは割とバカにできない要素だと思うのです。
また、フチが薄くなることで物理的なサイズが小さくなるので、デスクスペースを有効に使えるというメリットもあります。
特に理由がなければ、できる限りフレームレスなものを選ぶべき。
スピーカー搭載
何それ?
これは名前の通り、スピーカーが使える(モニターだけで音を鳴らせる)かどうか、ということです。
どう選べばいいの?
まず大前提として、モニターに搭載されているスピーカーは音質には大きな期待はできません。
もちろん、聴くに堪えないというほどではないでしょうが、ちょっとイイ音で、あるいは大迫力で聴きたいなぁという方には向きません。
そのような方は、別途スピーカーを用意しましょう。当然その場合、スピーカー搭載している必要はありません。
スピーカーを置く物理的なスペースがない方や、仕事・オフィスワーク用途などで「手軽に音を鳴らしたい」という方に向いています。
「手軽にそれなりの音を鳴らしたい」という方は、スピーカー搭載のものを選ぶ。そうでなければあってもなくても気にしなくて OK。
USB ハブ機能
何それ?
これも名前の通り、USB ハブの機能です。
USB キーボードや USB マウスといったデスク上で使用する USB 機器を、同じくデスク上で使用するモニターに接続することができるので、配線をスッキリさせることができるというメリットがあります。
どう選べばいいの?
これは機能の差はほとんどないと思うので、基本的にはあれば便利、といったところです。
ただ最近は、高速充電用の USB ポートを備えたものもあります。
デスクでスマホを充電する、という方はそういうものを選んでみるとよいかもしれません。
また、モニターの側面に USB スロットがあるものの方が、使い勝手としては良いです。
USB ハブ機能が欲しい方はアタマの片隅に置いておき、購入時の最後の決め手あたりに使うとよいかも。
PIP・PBP機能
何それ?
PIPとは Picture In Picture の略称です。
Picture の中に Picture を表示できる機能で、例えば PC の画面を表示しておき、その中に子画面としてゲーム機の画面を表示できる、というものです。
PBPとは Picture By Picture の略称です。
Picture のそばに Picture を表示する、つまり複数画面を並べて表示できる機能です。
絵で見たほうが理解しやすいと思うので、詳細はこちらのとてもわかりやすいご説明をどうぞ。
PIPやPBPに対応するモニターとしては、LG のこれが有名です。
どう選べばいいの?
基本的にはPIPやPBPの機能が欲しければそれをサポートしたモニターを買えばよい、ということになりますが、そもそも自分が欲しいかどうかよくわからない、という方もいらっしゃるかと思います。
PIPやPBPは、こういうケースでよく使われます。
- ゲームの攻略サイトをPCで見ながら、ゲームをプレイする。
- 子画面でテレビをザッピングしながらネットサーフィンする。
- デスクスペースが小さくてモニターを複数台置けないが、操作したいPCが2つある。
このあたりにピンとくる方は、PIPやPBPをサポートしたモニターを選びましょう。
ただし、モニターによってはPIPやPBPで使用できない組み合わせがあります。
たとえば HDMI が2つ以上あるモニターで、2つの HDMI をPIPで表示できない、などです。
これは説明書を見ないとわからないので、PIP・PBP機能が欲しい方は気を付けましょう。
2画面以上を同時に見たいケースがある場合は、PIP・PBP機能付きモニターを選ぶ。ただし組み合わせに注意。
HDR 対応
何それ?
HDR は High Dynamic Range の略で、明るい場面で白飛び(明るすぎて白一色になる)しなくなったり、暗い画面で黒つぶれ(暗すぎて黒一色になる)がなくなり、よりリアルで現実に近い画質を表現することができます。
詳しくは以下のよくわかる解説をご覧ください。
どう選べばいいの?
現時点ではまだ対応しているモニターも少ないので、基本的には気にしなくていいでしょう。
もちろん対応しているに越したことはないのですが、常用用途としてはまぶしすぎるというデメリットもあります(せっかく HDR 搭載のモニターを購入しても、結局常時 HDR 機能を OFF にして使うということに・・・)。
ただし動画鑑賞用途をメインで考えている方は検討する価値があります。
HDR にはいくつか種類があるのですが、HDR 1000 対応のモニターは非常に高額です。
現実的には HDR 600 対応のモニターから選択することになるでしょう。
動画用途メインなら検討の価値アリだが、基本的には気にしなくていい。
まとめ:結局何を重視すればいい?
というわけでここまで、モニターの機能・性能についてと、それぞれ簡単に判断するうえでのポイントについて説明しました。
独断と偏見でそれぞれの用途ごとに重視すべきベスト3を挙げるとすると、以下のようになります。
- 仕事・オフィスワーク
- 解像度・モニターサイズ
- 入力端子の数・種類
- スタンド調整機能
- 動画鑑賞
- HDR対応
- パネルの種類
- コントラスト比・輝度
- 写真・動画編集
- 色域・色空間
- パネルの種類
- デザイン(フレームレス・ベゼルレス)
- ゲーム
- リフレッシュレート・応答速度
- フリッカーフリー対応
- 解像度・モニターサイズ
この結果を踏まえて、モニターの検討を行いたいと思います。
自分のメイン用途としては「仕事・オフィスワーク」で、たまに動画・ゲームという感じですが・・・
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